歯槽膿漏というのは慢性疾患であることはご存知でしょう。
患者さんは50才男性。平成22年6月に来院されました。その時の写真をご覧ください。
レントゲン写真もご覧ください。
歯槽膿漏を評価する方法としてポケットの深さを測ったり、歯の動揺を測ったりします。この方の検査結果をご覧ください。
ポケットの深さの正常値は2ミリです。この方のポケットがいかに深いかおわかりかと思います。
治療の仕方としては、歯の動揺も大きく、ポケットが深い歯は予後不良として抜歯するしかありません。そうした抜歯基準からすれば、上顎の歯も数本抜くことになると思います。しかしこの方の場合、下の歯の欠損の問題の方が大きく、予算の都合もありますから、下顎欠損はインプラント治療を行い、上顎は、歯の固定、積極的なレーザー治療をすることにしました。
終了後の写真をごらんください。
下顎にはインプラントを3本いれフルブリッジにしました。上顎の歯のむし歯は保険治療です。ただホワイトニングを行なっています。上顎の歯はすべて当クリニックオリジナルな方法で固定してあります。現在では活動的な歯槽膿漏はみられません。
この方は実にまじめな方で、4週間に1回、当クリニックのマウスクリーンをうけにいらっしゃいます。またポケットが4ミリを超える場合は、2種類のレーザーを使い歯槽膿漏の治療を行いました。そうしたレーザー治療を数回繰り返すことによってポケットはどんどん改善されていきました。当クリニックのレーザー治療は、ヤグレーザーやCO2レーザーではありません。近年アメリカで行われるようになった最新のレーザー治療で、1歯1500円の治療費をいただいております。
この方は、仕事の関係からか、ご自分で徹底的にプラークコントロールする時間を持っていません。ですから、普段の口腔清掃は良いとは言えません。ただそのことも、この方は自覚していらっしゃるのでしょう、4週間に1回必ず来院されています。
最近の検査結果をご覧ください。
下顎の歯のポケットの改善は申し分ありません。上顎の歯も昔とは比べ物になりません。ちゃんとかよってくれれば、必ずよくなるのです。